「食はすべてその元を明らかにし、
調理を過ぎず損なうことなければ、
味わいすぐれ、体を養い、病を癒し、良く人をつくる」
「医食同源」 あんもまた然りである。
小豆、水といった自然の恵みをいかに生かし、
いかに最高の旨さへと創り上げるか。
ほんのわずかなミスでも、味はたちまちバランスを崩す。
一瞬たりとも気が抜けない緊張の連続でもある。
粒の大きさ、色合い、気温、水温、そして時間・・・。
それらがバランスよく調和したとき、
はじめて最高のあんが生まれる。
「自然と対峙するのではない。人も自然の一部なのだ」
かつてそんな言葉を残した俳人がいた。
あらゆる自然条件を頭に入れて行うあんづくりとは、
まさに自然との会話そのものであるような気がする。
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